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夢追いかけて 今、命ほとばしらせる

 2019/11/30 インタビュー
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書道とイラストを融合させたオリジナルアート、イラスト書道作品を制作。2017年、NY・OuchiGallery に出品し1 prize(一等賞)を獲得、また、個展では観客が感動で涙するほどのパフォーマンスをされるイラスト書道家「和全」さん。

先日、彼女の「イラスト書道・パフォーマンス」を見た。楽音の中、書道、イラストと観ている人を新しい世界へと誘っていく、イラストに描かれる色、書道の筆先が見せる躍動感、演出される光、音など、五感が刺激を受け、いろんなエネルギーが融合し場が展開していくのを楽しめる。

ただ、その核心には、静かで不動の力強いスピリットが存在しているのを感じた。


パリで開催されたJapanExpoでのパフォーマンス(2019) photo by Crystal Coco

トークショーで見せる柔らくて親しみやすい雰囲気とはガラリと変わり、イラスト書道を描いている姿はまるで武士の禊ぎ(みそぎ)のよう。

和全さんのインタビューをしてわかった、彼女を支えている「ゆるぎない精神」
「自分を活かさないのが許せない」
イラスト書道とは「書かざるを得ないもの」
こう語る、イラスト書道家「和全」としての顔と、自分の与えられた使命をもがきながら懸命に生きるひとりの女性としての和全さんの物語をご紹介します。


イラスト書道家 和全(わぜん)

イラスト書道家として活動する理由

ー2年前に新卒で入社して以来お勤めだった出版社を退職し「イラスト書道家」として独立されたとのことですが、今、どんな想いで活動をされているのですか?

そうですね、それは「書道を身近にしたい」という想いからなんです。私は大学でも書道を専攻してきて、8歳からずっと書道と関わってきているのですが、「書道展」に来てくれた友達が「書道ってなんだか難しい」っていう印象をもつことがあって。本当に凄い先生方の素晴らしい作品がたくさんあるのに、日常に馴染んでないのがもったいないなって思うんです。

ー確かに、書道って小学校の習い事や授業で親しんでいるはずなのに、それが書道展になると急に縁遠いものという印象があります。

私はNYに作品を出品して賞をいただいたのですが、NYを選んで出品した理由も「書道の魅力を身近に」だったんですよね。書道って日本の奥深い文化なのに、あまり注目を浴びることがなくなってきているので、「逆輸入」させてみようって思ったんです。

ーなるほど、海外で注目を浴びたという実績で、日本で注目を浴びて広まるといった感じでしょうか?

そうです。今年の夏、ロンドンとパリに行かせていただくチャンスがあって、特にパリでは書道の文字と似顔絵が本当に喜ばれて、自分でもびっくりするくらい長蛇の列ができる盛況ぶりで、それを肌で実感しました。

「いつか原宿にあるラフォーレの看板にイラスト書道が描けるくらいに」という想いをもつ和全さん。

いまや、海外での受賞や個展へのオファーがくる程「イラスト書道家」として活躍されていますが、和全さんが歩んでこられたイラストレーター、そして書道家としての道は、何かに導かれ運命が描くことを選ばせたと思わせる、そんな人生が展開していました。
そして、それは彼女に何度も何度も挑戦をさせるものでもありました。まずは、和全さんのイラストと書道の出会いからお話をお伺いしていきます。

出版社に入社したいが故に書道の道へ

私は教育学部の書道科という書道の先生になるための学科に通っていましたが、実は、本当の目的は「出版社に入るため」だったんです。本を読むことと絵を描くことが好きで、出版や本の世界は小さい頃からの憧れでした。だから、出版社に入って、編集者になるという夢がありました。

ー驚きです、出版社に入るために書道を…それにしても、8歳からずっと辞めずに、大学まで書道を続けられたのはどうしてですか?

実は….高校で「美術部」に入ろうとしたのですが、ふと隣の「書道部」がすごく楽しそうにしていて….こっちにしよう、みたいな感じで選びました!

その後、大学を選ぶ時、地方(長野)出身なので両親の負担を減らさねばと思い、私の偏差値でいける最高の国立大学に行こう!でも、実は数学が大の苦手。なんとか数学なしで国立大学に行く方法を探した時、「美術、音楽、書道」だったんです。これだ!と。

大学こそ、美術学科に進んで絵の勉強をしようと思い先生に、「美術科に行きたい」といったら「今更遅いわ。書道部なんだから書道科はどうだ?」みたいな感じで…そんな成り行きで書道を大学まで続けたんです(笑)

ーえ?なんていうか….本当にそれで?っていうくらい全てが成り行きですね(笑)

そうなんです。うっかり書道を続けちゃった感じで…(笑)でも、大学で書道の面白さにはまってしまって。

ーそうなんですね、そしてどんなところに?

今まで知らなかった筆に出会ったんです。羊毛という筆です。羊毛はとても柔らかくて「はらい」の躍動感とか、擦れ感の出方がとてもいいんです。この筆は柔らかいが故に使うのが難しいのですが、それを使って字を創作できるようになっていくのが楽しくてずっと練習していました。

「出版社に入りたいから書道を選ぶ」という女子高生が立てた人生の戦略。
そこから思わず知ってしまった「書道の面白さと奥の深さ」。これが和全さんの後の人生に多大な影響を与えることになっていくのですから「人生って本当に面白い」と思わせてくれます。

厳しかった出版社への道と「師匠」との出会い

「才能がない」「人生はそんなに甘くない」打ちひしがれる日々

いよいよ就活が始まったんですけれど、それが見事に落ちまくるんですよね(笑)
私の夢は出版社にブックデザイナー、イラストレーターとして入ること。でも、デザインは専門知識が必要で、美大かデザイン専門学校を卒業してないと面接すら受けさせてもらえませんでした。

自分が想像する以上に狭くて難しい道にチャレンジしていることに後から気づいたんです。

ついに、大学4年の秋になり、私は教育学部なので「教師になれ」と親は迫ってくるし、周囲の大人には「人生そんなに甘くない」と言われたり、本当に追い込まれていました。

そんな時、書道の教員の採用試験の話がきたのです。書道の先生だったら、就職できるかもしれない。。。成り行きで続けてたきた書道の道には、またもや未来への道がひらかれていました。
どうして書道をなかなか辞められないんだろう、、、。
神様が、私に書道を続けさせようとしているのか?と思いました。

「もしかして、私は、いつか書道ですごい作品を作るのか?だったら、私に、才能をください!!」ってアパートの天井に向かって叫びました。

大学での書道の勉強は楽しかったんですけど、同時に大きな挫折感を味わっていました。全国から集ってきてる上手な同級生の作品、書道の道ではやっていけない、私には才能がないと感じてたんです。

才能をくださいと言ってみた次の日、学校で書いた自分の字が、なんと!劇的に上手になっていた!!
なんてことはありませんでした(笑)

私は、ここで書道を辞める。と決めたんです。このまま書道の先生になったら「私、本当は出版社に入りたかったのに。。。」と思いながら生きることになる。そんなことは絶対に嫌だった。だから成り行きで続けていた書道から一度離れたいと思ったんです。

ーそうだったんですね。きっかけは成り行きだったけれども、書道と本気で向き合ってこられた。懸命に求めるからこその苦しみですね。

わたしの夢は絶対に叶う

でも、現実の就活はうまくいかない。出版社に入りたい、でも落ちまくって上手くいかない、就活に挫折しまくっていた私は、もはや本が好きかどうかも分からなくなっていたんです。でもそんな時、ある本に出会って。

それは、「読書のすすめ」という書店の店長さん(清水克衛氏)の本でした。その本の内容ももちろんよかったのですが、なんていうか、その本から「本が好きだ」という情熱がただただ伝わってきて。

その感動を伝えに店長さん(清水克衛氏)に会いにいったんですよね。清水店長さんとお話していると、再び情熱が取り戻せてきました。

やっぱり出版社に入ろうと思い直せた時、清水店長が、本のソムリエ団長さんをSNSで紹介されていたんです。「とても面白い人だからみんな繋がった方がいいよ!」って。
本のソムリエさん?もしかして出版関係の方なのかなと思って。私は、藁にもすがる思いで、いきなりメッセージを送ったんです。

「私、出版社に入りたいんです」と。

そうしたら、見ず知らずの私に本のソムリエ団長さんはすぐに返事をくれました。

「あなたの夢は絶対に叶います」と。

本当に励まされました。こんなこと言ってくれた大人は団長さんだけだったから。。

ーこれが今も一緒にトークショーをされている師匠ともいえる本のソムリエ団長さんとの出会いなんですね。団長さんの言葉、しびれますね。さてその後どうやってその難関の出版社に入られたんですか?

きっかけとなった、清水さんの本を出版していた出版社のことを思い出したんです。この出版社は、三年生で就活していた時は新卒採用をしていなかったので断られていたのですが、もう一度電話をしてみよう、と思って自分から電話したんです。

ーそうして決まったんですか?

そうなんです。たまたま電話口の上司の人が「最近新卒とってないなぁ」と思っていたらしく、その偶然が重なって、面接を受けるチャンスができました。そして、なんと面接が進んでいく過程で、部長が私が会いにいった店長さん(清水克衛氏)に連絡をいれていたみたいで。
「こんな子がうちに入りたいって来たけど知っている?」って。そしたら、店長(清水)さんも「その子、いい子だから採ったらいいよ」と口添えしてくださっいて。

ーなるほど、全く採用予定のなかった出版社の採用という門戸をまさしく自分の手で創り開いたのですね。素晴らしい!
しかも本のソムリエ団長さん、読書のすすめの店長(清水克衛氏)さんという夢をあきらめさせない最高にかっこいいオトナとのとの出会いでしたね。

夢を掴んだ人生が経験した行き詰まり、そして新たな挑戦へ

子供の頃から夢にみた憧れの出版社、その出版社を退職しイラスト書道家として独立することになるまで、達成感だけではなく、挫折とジレンマを感じることなります。

ー和全さんは出版社に勤めて7年目頃に挫折感というか鬱々とした状態だったとのことですね。

そうなんです。ありがたいことに、入社して1ヵ月くらいで、わたしのイラストをすぐ採用してくれて、そこからデザイナー、イラストレーターとして歩んでこれました。
実は、入社して数年たった時、一度本気で転職しよと思ったことがあったのですが、その時は、基礎のデザインとデッサンを一から学びなおすことでまた描く熱を取り戻したんですよね。

でも、この7年目の頃は長くこの世界にいながら、自分の力に限界を感じていて、私が活かしきれていないという紋々としたジレンマが続いていました。

わたしのイラストは、もちろん私が描いたものなのですが、ほかの人に頼んでもいいイラストが多かったんです。この世界では選ばれるイラストレーターさんは、その方の仕事の多忙状況で本の出版の時期がずれたりとか、すごい人はそれくらいの影響力があるんですよね。
でも、私への依頼は、私が忙しいなら、ほかの人に頼めるもの。そんな存在価値の自分をまざまざと感じて挫折した時期でした。

自分の作品を創る喜び

そんな時に、入社前からお世話になっていた本のソムリエ団長さんが私に言ってくれたんです。団長さんとは、入社後も奇跡的なご縁があって年に数回お会いしお話ができる関係になっていました。

団長さんは会社の愚痴ばかりを言って、自分を変えようとしていない私を見てこう言ってくれたんです。

「あなたは、自分の作品を書きなさい。あなたには才能がある」

私はすぐに、「無理です。私には才能なんてありません」と否定しました。でも、団長さんはこんな私に作品を描く機会を与えてくださるようになりました。

 

そして、自分の作品というものを描き始めた時に、本当に描きたい熱が込みあがってきたんです。
出版社でのイラストの依頼は、ある程度のディレクションがあってそれに合うようなものを仕上げていくんですが、自分でゼロから自由にイラストを描けることが本当に楽しかった。

「才能をください」と叫んだ書道とふたたび繋がる

そんな時に大学の恩師から「長野で大学のOB展をやるから、作品を出すように」って声がかかったんです。8年ぶりの書道で、久々に筆をもって書いたときに「書道って面白いな」って、自分の中で辞めてた書道が再び繋がりました。

その後、長野でグループ展をするようになり、道具は全て実家にあるので、毎週末、勤務する傍ら東京から長野に帰って創作活動をするようになっていったんです。

そんな日々を過ごしているある時、イラストの仕事が忙しくて、今週は帰れないなぁっていうことがあったんです。
その時団長さんに(もはや私の人生の師匠と呼べる人ですが)「今週は仕事で帰れないんです」とメールをしたら。

「帰りなさい。今あなたが優先することは、自分の書きたいもの描くことだ」といってくださって

「え~!!」と思いながら、徹夜して朝まで本のイラストを仕上げて、早朝、乗り込んだ長野行のバスの中で朝日を浴びながら、ほっと一息ついたときに、「あ~、私はこっちの世界で生きていくんだな」って思ったんですよね。

この内側に静かに溢れ出だしてくる「描きたい」という想いが、和全さんの人生の次の扉を開きます。

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さいわい とみよ

さいわい とみよ

29歳の失恋からスピリチュアルな体験、アバター(R)コースとの出会い。
その後、離婚、経済危機を経験。幸せに豊かに生きていくことってなんだろうと、幸せ創造研究所を設立。挫折あり、笑いあり、涙あり、感動あり。だからこそ、人生は美しい。

「美しくこの地球でいきる」がモットー

米国スターズエッジインターナショナル社認定
アバター®マスター
幸せ創造研究所 代表 幸 とみよ

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